赤ちゃんの身体や言葉の成長・発達は胎内にいるときから始まっています。
胎児〜赤ちゃんの体格・生育環境によって成長の速度も変わります。
赤ちゃんを受け入れる家族は、焦らずに大きな気持ちで見守ることが大切です。
赤ん坊が生まれたときの感情を、人は「おめでとう」に代表されるハッピーな言葉で表現します。
ママが無事に新しい生命をこの世に誕生させたことは、最高最多の祝福、賞賛に値します。
かわいいといえばそうでも、宇宙人といえばそうかもみたいな赤ちゃんを前にして・・・
一方で、はじめての赤ちゃんを迎えいれるパパ・ママの気持ちは複雑ではないでしょうか?
責任を負うことも、人として大きな喜びですが、責任を果たすことは切実な不安であり、恐怖です。
しかし世の中に浸透している「赤ちゃん=めでたい」という公式の前に不安を表現できないことで、自分が劣っているような気になることも少なくないのです。
この感情をうまくクリアできないと後に複雑な問題を引き起こす要因になります。
(この件は別に説明させていただきます)
赤ちゃん誕生と同時に病気になるママ、特にパパがいるのも事実です。
だから「本当はみんなそうなんだ。それでもうまくやっていけてるんだ」と思うようにしてください。それが事実ですからね。
赤ちゃん目線で見ると、赤ちゃんの「誕生(0歳)から5ヶ月の最初の時期」は宇宙に降り立ったような出来事。
パパ・ママ目線で見ても、赤ちゃんの到着は、見知らぬ世界に降り立った気分になります。
宇宙人のように見える赤ちゃんをどうすればちゃんと育てられるか、想像もつかない気分になっても不思議ではありません。
そんな不安をよそに赤ちゃんは、泣き出します。ママもパパも自分の不安に構う間も無く奮闘記が始まります。
この不安を可能な限りソフトランディングするための準備があるとないでは大違いなのです。
出産という大変な旅を終え、赤ちゃんを無事に地球に降ろしたマミー。
この時期のマミーの子育ての目的は、初めての環境に順応させてあげることです。
ママも不安いっぱいだけど、ママ以上に不安なのに、泣くことしかできない赤ちゃんにまず守られている安心感を贈ってあげましょう。
「0歳から5ヶ月の最初の時期」の乳児は環境に慣れていく時期です。
この時期はバイズリ〜ハイハイという次のステップへの準備期間です。
眠っているようにしか見えないネンネ期も、ひとりで頑張っているのです。
ママのやさしい応援が成長の励みになります。
生まれてきた世界は、10ヶ月間、ママの胎内で過ごしてきた赤ちゃんにとって、まったく違う環境。
胎内で眠っていたように、眠ってばかりですが、ただ眠っているのではなく五感を通して環境に慣れようとしています。
五感はマミーの胎内にいたときから磨かれています。生まれてきたときには、触覚、聴覚、視覚、味覚、嗅覚の五感をほぼ完全に備えています。
スキンシップで伝える愛情
しかし、生まれたばかりの乳児にとっては五感から入ってくるすべてが不安です。
母親の保護が頼りの時期で、母親の心からの愛情で、しっかりやさしく抱いてあげることが最大の対策です。
感覚器官が伝える情報処理方法は安心感のなかで磨かれます。
赤ちゃんの脳は生まれてきた時点では完成していません。
脳が正常に発達するには正常な経験をすることが不可欠なのです。
ですからお母さんの守ってあげようとする「やさしい気持ち」が大切です。
言葉が分からない赤ちゃんとスキンシップで気持ちを伝えていきます。
いつも同じ態度をとってあげる
赤ちゃんを安心させてあげる上で、重要なのは、ママが感情的な態度をとらないことです。
感情の起伏の激しい人、つまりストレス耐性が弱いと、ケアしたり、ケアしなかったり、態度の変化をやってしまいます。
赤ちゃんは言葉こそわかりませんが、人間のコミュニケーションは、知覚・感情・思考の伝達です。
言葉以外に伝えることもあり、言葉でやりとりしているときでさえ、言葉のトーン、表情・態度を使っています。
赤ちゃんは、言葉以外のすべてで置かれいる状態を把握しようとしています。
お母さんに都合があるのは勿論ですが、赤ちゃんはそんなことわかりません。
態度の変化は不安を与えるばかりで、赤ちゃんの心身に好ましいことは何一つありません。
この時期は「万能感」を持たせてあげることが重要だと言えます。
万能感とは、すべて自分の思うようになるという感覚です。安心感になります。
大丈夫、やっていけるという感覚につながっています。
万能感は成長の過程で手放すように教えてあげないといけません。
裏返すと一旦は持たせてあげるのが必須なのです。
慣れていない環境で、安全・安心に対して不安の強い時期には必要なのです。
この時期に不安を与えると、環境順応に時間がかかる子どもに育ちます。
保護者の五感への配慮が大切です。幼児が不安がるのは止められません。
不安の材料を親が取り除いてあげることが親の自立につながっています。
不安を超える子育て・親育て
親も人の子です。
親になったからといって不安が消えてなくなるわけではありません。
ママもパパも、赤ちゃんを無事に育てられるのか、いろんな面で不安が生じます。
その不安を克服して安定した子育てができるようになるには、ストレスに打ち勝たなければなりません。
このプロセスのすべてがパパ、ママ自身の自立につながります。
結婚はその最初のステップです。
しかし、子どもの誕生による親子三人の暮らしは別物です。
生活能力のあるふたりが暮らしていくのとわけが違います。
そのプレッシャーに負けてしまうと、子どもへの虐待が起こることもあります。
この現象は、0歳から5ヶ月の最初の時期に赤ちゃんが求めているものと真逆です。
「子育て」は「親育て」です。
赤ちゃんを前にして不安になるのは当然のこと。不安な赤ちゃんとパパ・ママが同じ方向を向いて歩いていくのが「子育て」であり、「親育て」です。
一生懸命に取り組むことで人として成長し、真の自由を得てラクになれます。