愛着の円
母子の関係は見えない円の中にあります。
自分は「愛着の円」と呼んでいます。
赤ちゃんは、円から出ようとはしません。
円の際まで行くと不安になってママのところに戻ってきます。
ママは満面の笑みで赤ちゃんを迎え受け入れます。
ママの表情に安心した赤ちゃんは、また活動を開始。
冒険の旅に出て円の際まで行って戻ってきます。
ママの満面の笑みに安心するとまた旅にでます。
ママは赤ちゃんの安全基地なのです。
この繰り返しが続くと同時に、円は拡大していきます。
円の拡大は赤ちゃんの成長そのものです。
成人になる頃には円は途方もなく大きくなっていて、円の際からママは遥か遠く、もう見えません。
それでも不安にならず円から出ようとします。
この状態を「自立」といいます。
つまり愛着の絆がしかりできていないと
円から出られない。自立ができないのです。
成人になった赤ちゃんの心にはあの優しかったママがいます。
もうママとはいいません。
どんな呼び名に変わってもママは慣れ親しんだ「安全基地」です。
もし、ママが「安全基地」でなかったら、
赤ちゃんは基地がないまま成長しなければなりません。
それは大人には想像できない辛さです。
未知の世界に降り立った赤ちゃんは知りたいことがいっぱい。
なのに振り返っても基地がない。
不安いっぱい、途方にくれます。
次に冒険することをためらいます。
ママから離れないでいると、ママはどこかに行ってしまう。
ますます赤ちゃんは途方にくれます。
でも実際には、その辛さに耐えて成長した人がいます。
「愛着の円」は、見えませんがあります。
私たちが暮らす世界では、大事なものほど見えません。