睡眠マイスターの任務は心地よい睡眠が摂れるようにアドバイスすることです。
しかし「心地よい睡眠」は表層的な課題に過ぎず、睡眠を通じて脳を守ることです。
脳を守る手段として「睡眠」にしかできない仕事があります。
眠っている間に脳の整理整頓を行うのは、睡眠にしかできません。
その睡眠の妨害をするひとつがストレスです。
ストレスには脳を超えて、命まで奪う危険があります。
睡眠マイスターとして、見逃せないテーマであり、重要な役割があります。
睡眠マイスターは、ストレスの心理的な対処は「マインドフルネス」で低減します。
ストレス反応
ストレスを受けたときに、最初に反応するのは脳にある扁桃体です。
恐怖や不安に反応した扁桃体から身体中に指示が出ますが、なかでも副腎は重要な反応をみせます。
副腎からストレスホルモン(コルチゾール)が分泌します、
さらに全身にネットワークのように張りめぐされ、末端の血管にまで巻きついている自律神経が反応します。
自律神経が興奮すると血管を締め上げます。
血圧が上昇します。
全身で起こる身体の反応・・・これがストレス反応です。
表向きは図のようなストレス反応です。
しかし実際には身体に張り巡らされたネットワークによって、もっと深刻なストレス反応が起こっています。
脳卒中、心不全、心筋梗塞、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃炎、じんましん・アレルギー、糖尿病、うつ病、アルツハイマー性認知症、癌・・・・
ストレス低減方法
ストレス反応への対処の方法は、「身体」「行動」「心理」の3つの側面から、その組み立てをアドバイスするようにしましょう。というお話をしました。
そして、「心理」については、マインドフルネスで対処できると説明しました。
では、マインドフルネスで、どんなことができるのでしょう?
マインドフルネス〜ストレス低減法
マインドフルネスは、グーグルを筆頭にアメリカのIT企業が次々に採用したことで一躍有名になりましたが、いまでは刑務所から小学校まで幅広く採用されているストレス低減法です。
マインドフルネスとは、直訳すれば心が満ちるですが、上座部仏教の教えでは「気づき」と訳されています。
しかし、現在、人気のマインドフルネスは宗教色は取り除き、科学的に研究されたものです。
仏教色を取り除いた理由に、マインドフルネスを啓蒙することで、改宗の強要と誤解されることを懸念した
世界的なトップ企業なので、国籍と宗教が世界規模であること
仏教の概念が入ると、とても難解になり、容易に理解できなくなる。
しかし最終的に理解しようとするとそこそこ仏教を理解しないと理解できない部分が残る
いまここに集中する
マインドフルネスは、「今、この瞬間に注意、集中すること。」
例えば、食事をしている時に、食べ物の形、におい、味など、口に入れる前から飲み込むまで、すべてに意識を向け続けていますか?
その間に、明日のスケジュールを考えてたり、昨日の嫌な出来事を思い出したり、今、この瞬間、食事をしているのに、別のことで頭がいっぱいになっているのではないでしょうか?
人は、過去といま、未来、3つのステージを行ったり来たりしています。
しかし、過去は終わったことです(記憶)。未来はまだ来ていません(想像)。
人が生きる場所は、「いまここ」しかありません。
それなのに、過去と未来のことに関心が入ってる時間が、どれだけあると思いますか?
ハーバード大学の調査結果によると47%が、いまここから離れて、過去と未来を往来しているのです。
つまり、起きている時間の約半分を心ここにあらずの状態で、記憶と想像に時間を費やしているのです!
世界の名だたる企業が、マインドフルネスを導入する理由がお分かりいただけたと思います。
世界のトップ企業が求めているのは、記憶ではなく知恵であり、想像ではなく創造です。
つまり、過労死を出している会社は、
従業員の能力を発揮させようと考えていないという意味で、
働き方としてサイテーということなのです。
ハイパフォーマンスを出す人の違い
できる人が違いを生み出している違いは、時間配分にあります。
あなたはできる人がパフォーマンスの高い仕事をする理由を特別な能力にあると思うかも知れませんが、時間配分が違うのです。
彼らは8時間勤務の内、限りなく8時間近くを「いまここに」集中しています。
もし、あなたが8時間を仕事、勉強に当てていて、記憶と想像に4時間使っているなら、実際には半分しか仕事、勉強に使っていないのです。
これで同じ結果を出すことは至難の技です。
しかも仕事や勉強をしているつもりが、2時間は愚痴や気休めの会話だったら、実際には2時間しか使っていません。
8時間と2時間では雲泥の差です。これでは競争にならないのは当然なのです。
人生とは時間そのものです。
必要なのはあなたしかできないことに8時間、10時間を投入することです。
できないことにイライラしていませんか?
神様ではない人間には、できることと、できないことがあります。
明日の天気を自分でどうにかできますか?
自分の息子だからといって自在に扱えますか?
もし、自分の息子だからといって自在に扱えば、その反動は必ず起こります。
扱ったように思えても、扱えていないのです。
もし、近親者が病気で伏せっているとき、あなたにできることはなんでしょう?
側についていてあげることしかできないのではないでしょうか?
あなたは、ただじっとしていることができなくなり、苛立ってきます。
これがストレスです。
これに対してマインドフルネス瞑想をします。
それが何の役にたつと思うでしょう?
したことのない人にはわかりません。
良い父親は良い父親ではありません。
側にいるのに苛立っているのなら、側にいるのに、側にいないのです。
良い近親者か、悪い近親者か、そんなことは問題ではありません。
- 良い近親者は良い近親者ではありません。
- 悪い近親者は悪い近親者ではありません。
- 良い夫は良い夫ではありません。
- 悪い父親は悪い父親ではありません。
- 良い夫と考えていても、悪い夫になる場合もあります。
悪い父親と考えていても、良い父親になろうと専心していれば、最良の父親になることもあります。
人は変化の途上にあります。
良いも悪いもないのです。
好きも嫌いもありません。
ただあるがままに受け取るのです。
そうすると側についていてあげるのがストレスなしにできることに気がつくでしょう。
この気づきがマインドフルネス(心が満ちる)です。
マインドフルネスでの、心理面のストレス対策は、自分が今この瞬間、何を見て、何を聞き、何を感じ、何を考えているのか、自覚することから始めます。
五感で感じるもの、思考、感情など、自分の心に映るもの、つまり意識できるものを観察することで、自分の心を知り、そしてコントロールしていく方法を学び、実践していきます。
その結果、自分や他人(世界)を不幸にしない行動が選択できる、不快なことがあっても忍耐し受け入れることができる、目的に向かって行動を起こしていくことができる、というように、やりたいことができる自分、社会と関わって生きいていくことができる自分になることで、ストレス低減を行います。
さらに、うつ病や非定型うつ病、パニック障害などの不安障害を改善します。
睡眠マイスターのアドバイス
睡眠マイスターは、睡眠のプロフェッショナルですが、不眠の原因になる「ストレス」に対するアドバイスが重要です。
ストレスが生じると、扁桃体が活動します。
そうすると脳から指示が出て副腎からストレスホルモンを分泌します。
ストレスホルモンは心拍数を速め、血圧をあげます。
これがストレス反応です。
ここまでは通常の反応ですが、ストレスが積み重なると、ストレスホルモンが絶え間なく分泌され、危険な状態が増加します。
心拍数が急激に速くなったり、血圧が異常に高い状態になります。
血圧の上昇に耐えられなくなると、大動脈が破裂すると死に直結する危険が増します。
血管の破裂が脳で起こると脳出血になります。
ストレスホルモンの影響はこれだけではありません。
心不全、癌、認知症が引き起こされ、「キラーストレス」になります。
このキラーストレスにならないアドバイスが睡眠マイスターに期待されています。
死に至るストレス
キラーストレスの原因はコルチゾールにあります。
副腎皮質ホルモンで、ストレスホルモンの正体です。
一定の量を超えて分泌されると、脳の海馬の神経細胞を萎縮させ破壊します。
海馬の損傷がうつ病を発症することがわかっています。
そもそもストレスホルモンの分泌は人を外敵から守るために、人間に備わった機能です。
猛獣のように天敵が現れると身を守るために身体が反応しやすいように、ストレスホルモンが分泌され、緊急事態が去ると、ストレスホルモンは止まるようになっています。
しかし、現代社会では、絶え間なくストレスが続くので、ストレスホルモンが過剰に分泌されるようになっています。
長時間労働が毎日続き、睡眠もとれない。
寝ても寝た気がしない。睡眠負債が増加します。
・・・・慢性的にストレスホルモンが過剰になっています。
太古の昔には想定されてないかった絶え間のないストレスにさらされているのです。
世界でも有数のストレス大国
特に日本では、睡眠に対する不満が世界一高く、その割に無頓着。
「過労死」もローマ字で世界に通用する言葉になりました。
つまり私たちの暮らし方が世界的に異常だということに他ありません。
その背景には、記憶力と想像力が豊かである民族だといえるでしょう。
たとえば上司の厳しい叱責にさらさえると、上司がいなくなっても、過去の記憶が消えず、家に帰っても思い出したり、また明日のことを想像したりしてしまうのです。
今度、顔を見ただけでも、過去の記憶と勝手な想像をして、脳はストレスを感じてストレス反応をしてしまうのです。
目の前の現実ではなく、過去と未来のことを考えてしまう。
このような状態を「マインドワンダリング(心の迷走)」といいます。
迷走する人々にマインドフルネスを
「マインドワンダリング(心の迷走)」が生活の大半を占める、こういった傾向も、特に強いのではないでしょうか。
ハーバード大学の行動心理調査の結果、生活時間の47%が「マインドワンダリング(心の迷走)」状態にあったといいます。
ハーバード大学ですから、アメリカ人の場合です。
日本特有の「過労死」を抱える日本では、もっと高いと想定されます。
自分自身でストレスを客観的に認知することでコントロールできます。
認知することで前頭葉の一部が活性化して扁桃体の動きをブレーキをかけられるのです。
そのために前回お話ししたコーピングが役に立ちます。
また身体の硬直を自分で探しあてると、呼吸でリラクゼーションできます。
呼吸でリラクゼーションを行うために、「マインドフルネス瞑想」を身につけるようにしましょう。
マインドフルネスの効果で、海馬の萎縮した神経細胞を回復させることも可能なのです。
- 記憶と想像で受けているストレスを駆除しましょう
- そのために、いま現実に起こっていることに目を向けましょう。
- なにもないですね。良いも悪いもなく、あるがままに、いますることに集中しましょう。
まとめ
全身で起こる身体の反応・・・これがストレス反応です。
- ストレスを受けたときに、最初に反応するのは脳にある扁桃体です。
- 恐怖や不安に反応した扁桃体から身体中に指示が出ますが、なかでも副腎は重要な反応をみせます。
- 副腎からストレスホルモン(コルチゾール)が分泌します、
- さらに全身にネットワークのように張りめぐされ、末端の血管にまで巻きついている自律神経が反応します。
- 自律神経が興奮すると血管を締め上げ、血圧が上昇します。
ストレス反応への対処方法は、「身体」「行動」「心理」の3つの側面から、その組み立てをアドバイスしましょう。
- 「心理」については、マインドフルネスで対処できます
- 記憶と想像で受けているストレスを駆除しましょう
- そのために、いま現実に起こっていることに目を向けましょう。
- なにもないですね。良いも悪いもなく、あるがままに、いますることに集中しましょう。
自分が今この瞬間、何を見て、何を聞き、何を感じ、何を考えているのか、自覚することから始めます。
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ショップ「ベッド習慣」店長MINORUさんです。ご来店いただきありがとうございます。
「ベッド習慣」一般社団法人いきいきゴエス協会が運営するするショップです。
一般社団法人いきいきゴエス協会は介護予防、終活カウンセリング、睡眠マイスター養成などを主宰しています。
私、店長MINORUさんはその理事で、整理収納アドバイス、ファイナンシャルプランナー、ビジネスコンサルタントです。
何でも屋のようですが、実はひとつの目的に向かって事業を行っています。
それをまとめたものが次の図です。
スタートは「私の幸せ」
・・・漠然としたもので、どちらかというと「うまく生きていけたらいいな」というレベルです。
でも現実にはお釈迦様も言われたようにこの世は「四苦八苦」です。
そういう世界をくぐり抜けて「幸福な人生」を全うしたいと思うようになります。
それを具体的に実現するお手伝いをするのが当協会の目的です。
図ではファイナンシャルプランナーの部分が大きく見えますが、「経済」の部分を詳細に表しているので、こんな表になりました。
実際には「愛情」「仕事」「健康」「子育て」の部分でも、この程度の詳細な部分があります。
ゴエス協会では、「ゴエス」の文字通り「整理・整頓・清掃・清潔(磨く)・習慣(躾)」つまりローマ字表記にすると頭文字がSで始まる5つ。5Sになることから「ゴエス」と言ってますが、5Sによって暮らしを落ち着かせることが「幸福な人生」を実現するもっとも簡単な方法だと考えています。
誰でもできることなので、難しいことではありません。
と、言っても、人の一生のことなので、課題は多岐に及びます。
それを簡単に進めていくのが、5Sです。
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