マインドフルネスなリーダーシップとは、システム思考ができるリーダーシップです。
マインドフルネスは「Be Hear Now(=いまここにある)
つまり過去や未来ではなく、いまここにフロー(没頭)している 状態です。
「いまここにある」リーダーシップとは、三つの心のバランスが状況に適応することです。
では、三つの心を使ったPDCAの回し方についてお話します。
毎日PDCA を回して常に改善を図ること。
人間に備わっている「三つの心(五つの心)」は、次の通りです。
- 厳格な父親の心、保護的な母親の心
- 大人の心、
- 無邪気な子どもの心、従順な子どもの心
どの心が良い、悪いはありませんが、状況にふさわしい適応するために、いまどの心を強くするのが良いのか、認識して出せることが大切です。
それには、三つの心(五つの心)の出し入れをできるようになっている必要があります。
そこで「三つの心(五つの心)」の現実を二つの会社の事例でお話します。
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従順な子どもの心が強い人が集中した会社
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無邪気な子どもの心、保護的な母親の心が強い人が集中した会社
自灯明、法灯明・・・随所に主たれ=マインドフルネスの目的
お釈迦様の言葉に「自灯明、法灯明」があります。
「自灯明、法灯明」は、「師が亡くなったら、何に頼ればよいのか」と嘆く弟子のアーナンダに対して諭されたお釈迦様の最期の言葉です。
「他者に頼らず、自己を拠りどころ(自灯明)とし、法を拠りどころ(法灯明)として生きなさい」という意味です。
つまり「自灯明、法灯明」はお釈迦様ご自身の生き様だったわけです。
自己を拠りどころにするとは、「自分を主にして生きなさい」ということです。
「随所に主たれ」も同じで、あらゆる場面で主体的に生きよの意味。
自分が主でなくてなんの人生かとも説いておられます。
マインドフルネスの目的です。
お釈迦様といえば「無我」「無になれ」が強く印象に残っている方も多いと思います。
「自分を主にしなさい」とは不思議に感じる方も多いと思います。
自分が主であるためには因果関係への深い洞察が必須になります。
でなければ『真理を拠りどころ」に生きられないからです。
自分を拠りどころにするには、真理(本当のこと)の理解が裏付けになります。
真理はあらゆる因果関係を読み解けないと理解できません。
因果関係を読み解くには、あらゆる角度から物事を捉える必要があります。
ダンボールは人にとっては箱ですが、ゴキブリには食料です。
ホームレスの方には布団になり、ある人にはお金になります。
なにごとも「自分の都合」でしかないことに気づいて因果関係が解けていきます。
家中のものを「自分の都合」から離れて観察すると、面白いものです。
主体的に生きると、随所で真理とひとつになって、自分が消えてしまうので、さらに面白いです。
つまり無になれとは、真理とひとつになりなさい。
さらにいうと「そのものになりきりなさい」ということです。
お釈迦様の言うようにしていると、そこにたどり着くので、
多分、「そのものになりきりなさい」は、弟子のことばだと思います。
さて人を育てるとは、「その人になりきる」細やかさが必要です。
因果関係を読み解き、正しく成長するように注意深く気配りして、人を育てることができます。
従業員が育たない会社の理由
たとえば小売業で、店舗展開をすることは売上増加、収益増加に欠かせません。
店舗を増やせば、管理者が同じ数だけ必要になります。
人を育てる仕組みが会社にないと、店舗は増やせません。
会社の風土を知る目的で、「三つの心(五つの心)」のアンケートを収集すると、ある企業では、
従順な子どもの心が強い人がほとんどでした。
この会社では、ほとんど人が育っていません。もちろん人を育てる仕組みがありません。
断片的に教育はされていますが、店を管理するための人育ての仕組みがないのです。
従順な子どもの心が強い人がほとんどである理由は、自主的な人が少ない。
自主的な人を確保できない。(=確保する意識がない)
自主的な人が少ないので、入社してもすぐに離職してします。(=問題意識がない)
ダイナミックな店舗展開ができる会社の場合
やはりアンケートを取集すると、先の会社とは違い、無邪気な子どもの心、保護的な母親の心が強い人に集中していました。
その影響で、自主的な人が多く、離職も少ない状況でした。
その理由は「働きがいのある職場にするために仕組みが細かく設定されていました。
仕組みなので、因果関係が絡んでいますが、目に見えない成果が生まれる仕組みもたくさん潜んでいました。
しかも仕組みはファシリテーターのもと従業員にPDCAを回していて、作ったけれど機能していないはなく、機能させることにこだわりがありました。
つまりPDCAを回すことで継続させる仕組みが機能していたのです。
成果が合理的でないと解れば中止しますが、合理的でそうでないかの判断は人を育成する側面も注意深く観察した上でやめていたので「働きがい」「やりがい」は担保されています。
何事も、うやむやにせずに、成果がでるように継続してから判断することを習慣にしています。
うまくいかなくても「挫折感」は社内のどこにもありません。
逆に挑戦する自由な風土が育っています。
無邪気な心でPDCAを回す習慣
ダイナミックな店舗展開ができている企業では、人が育っています。
無邪気な子どもの心で、チャレンジを楽しむようにPDCAを回しています。
人が育たず、店舗展開にも消極的な企業では、人が辞めていくので、人の補給に追われています。
集まってくる人は、従順な子どもの心が強い人ばかりです。
上司から指示されて動く人が中心です。
自分を主にしない人ですが、実体は責任回避を好む人ですから、チームワークをしない人です。
チ−ムワークをしない人が集まってしまうのは、トップがチ−ムワークをさせないようにしたからです。
人が育っていないので、上司にふさわしいスキル、リーダーシップは問われません。
マインドフルネスを少しでも提案しても、「収益になるのか」という質問で終わってしまいます。
まとめ
マインドフルネスは「Be Hear Now(=いまここにある)ことで注意深く「対象」になりきることです。
つまり『PDCA をシステム思考で回すマインドフルネスなリーダーシップ』とは、因果関係を深い洞察ができることが条件です。
因果関係を深い洞察ができるようになると、「自我」が、自然に消えてしまい「無我」の状態になります。
「無我」になれない場合は、因果関係が捉えきれていないことに気づくと思います。因果関係が捉えきれていないのは、まだまだ「執着」が潜んでいるからです。つまり見落としている点があることに他なりません。
ここがシステム思考のポイントです。決して人のせいにしない。
課題を人のせいにするとなんでもあっと言う間に片付いてしまいます。最たるものが「やる気」「意欲」です。昔、日本が戦争に負けたのは、「人間力」に頼ったからです。
自分が消えてしまうことは、「自由」になったということに他なりません。
『PDCA をシステム思考で回すマインドフルネスなリーダーシップ』とは自由になるための方向性。
「Be Hear Now(=いまここにある)」とは、「自由になった」という意味です。
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