コロナウイルス対策で外出自粛が思ったほど機能していないようです。
コロナも怖いが、マズローの欲求5段階説の第二段階「安全の欲求(=病気・事故のない安心・安全な暮らしへの欲求」が満たされなくなる恐怖も強いようです。
終息が見えず補償の問題も根強く、第三段階の「社会的欲求(=友人・家庭、会社、社会から受け入れられたい欲求)」より低い欲求が満たされなくなる不安が「自利」に向かわせてしまうようです。
「安全の欲求」の暮らしの部分の不安が満たされると、病気になりたくない「安全の欲求」がモチベーションになり、「社会的欲求」も機能して強力に自粛が進むと考えられます。
今後、時間と事態の進捗状況で局面は変わりますが、「自利利他」への気づきが早く起こるほど終息も早く、「安全の欲求」が満たされず、気づきが遅くなるほど、疫学的にも経済的にもリスクが大きくなります。
それだけに深刻なリスクを抱えない人から、システム思考的に「自利利他」を実践していただくと、難題を抱えた人を、疫学的にも経済的にもリスクを抑えてあげられるのです。
ここでは、「自利利他」の意味と影響をご紹介します。
自利利他とは
コロナウイルス終息後の世界を考ると、「利他主義(Altruism)」こそ復活のあり方だと、世界の知識人が唱えています。
- 自分の利益のためというのが自利。
- 他人の利益のためが利他。
仏教的には、小乗仏教は自分の悟りを目指すという意味では自利であり、大乗仏教は他を救済することで自らの悟りを目指す利他を目的とすると言われています。
利他には、何か企みが隠されているように嘘っぽいという意見もあります。
しかし、嘘っぽうで片づけるほど簡単ではありません。
自利利他の本質
「自利利他」とは、自らの仏道修行により得た功徳を自分が受け取るとともに 他のための人に利益になるという思想です。決して意識的に利益をはかるわけではありません。
- 自分が努力することで利益を得るとともに、 他の人に利益になる
- 自分が受け取るとともに、 他の人に利益になるように計る。
縁起として考えた場合、どちらが難しいでしょう。
個人としても、システムとしても、1の方が自利利他の本質です。
自利利他は優れた「システム思考の基礎」
潜在能力を活かす上で欠かせない自利利他とは「システム思考」なのです。
システムは個人から地球規模まであらゆる分野で機能しています。
システムには必ず「因果(=原因と結果)」があります。
また「縁起(=縁があって生起する)」という言葉も同様です。
自利利他が嘘っぽく感じるという意見は世間に蔓延しています。
「他人のために生きる」と解釈されているからですが、自利利他は究極の利己主義、合理的な自己中心主義といえます。
究極の自己中心主義
たとえばコロナ騒動で外出自粛と妖精されて、要請だから強制力はないと考えて、無視して外出すれば、いつまでたってもコロナな終息せず、そのツケは経済に回ります。
経済はシステムそのものなので、システムの一員である自分も含めてすべての人が影響を受け、いつまでも終息しなければ、ダメージも大きくなります。
こんな状況がバカバカしい、無意味だと思えば、「他人にコロナを感染させない最強の手段は外出しない、人と接しないないことです。
「他人に感染させないために私は一切、人との接触を回避する」というのは利他主義のようですが、実際には自利利他であり、究極の自利なのです。
このようにシステム思考で、深く生きれば、生産性も高く、感謝され、自分の願い通りに暮らせます。
ところが軽薄な生き方をすれば生産性も低く、批判され、自分の願望も叶わず、その痛みを感情的な行動で埋め合わせしようとして、どんどん生産性を下げてしまいます。
100年ライフをキラキラ輝かせる自利利他の本質
下流民か、自由民か。
二つを分けているのは利他主義か、否かではないでしょうか?
簡単な事例を挙げましょう。
業績が順調だったある小売業が、顧客を軽視した利益重視に偏り、その後急速に悪化。顧客離れにストップがかからなかった話。この会社でも幹部が「顧客第一主義」はきれいごとと無視、さらに社長も黙認したことです。
ブッダがいう自灯明、法灯明の道理が通じなかったことが原因です。
利他主義(Altruism)を貫きましょう。
100年ライフは、本質の時代です。生活必需品こそ力です。
食料、医療、教育、文化、情報、研究、イノベーション、デジタル生きることに必要なものに集中と継続です。
人も本質が問われます。
利他主義を貫くには「集中」と「継続」は絶対条件になるでしょう。
アサーティブにも宿る「自利利他」の精神
アサーティブネス(Assertiveness)は積極的自己表現のこと。
あのアメリカでさえ、1950〜60年代まで「男女平等」は言葉ほど進んでいなくて女性が低く扱われたいました。
これに火をつけたのがロックンロールをはじめとするサブカルチャーでした。
ある女性はロックンロールを聴いたとき、思わず抑えきれなくなり、目的もなく車を走らせていたといいます。
サブカルが発信したのではなく、若い人が主体的にサブカルに共感したようです。
言葉で表現できない力に背中を押されてウーマンリブの潮流が起こります。
黒人差別の対しては公民権運動が起こります。ベトナム戦争での兵役召集には、ノーの声が高まりました。
個人が力を蓄えた時代にアサーティブネス(Assertiveness)は広がりました。
「アサーティブネス」は自分の人権を尊重するように同じように他者の人権も尊重するのが基本です。
関連用語
まとめ
自利利他とは、自分が努力することで利益を得るとともに、 他の人に利益になる。
システマチックな効果が魅力の自利利他。社会起業家に欠かせないポリシーです。
コロナ騒動で傷ついた世界は、二度とコロナ騒動前に戻らないでしょう。
戻すべきではないと思います。
そのためにも自利利他を広げていきたいですね。
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