ユーザや上司、後輩の悪態などに遭遇すると、怒りが湧いてくることがあります。
普段は冷静でいても、突発的な感情によって、自分の思わぬ方向に進んでしまい、後で後悔します。
このような自分でも統制できない情動、うまくできないアンガーマネジメントも、マインドフルネスの理解を深めると解放できるだけでなく、三毒の煩悩を手放して、アンガーマネジメントができるようになります。
ここでは、マインドフルネスがビジネスに与える効用とアンガーマネジメントへの効果をご紹介します。
怒りは快感、アルコール依存症に似ている
ユーザや上司、後輩の悪態などに遭遇すると、怒りが湧いてくることがありますよね。
怒りのその裏で「自己否定感」あるいは「他者否定感」も高くなります。
アンガーマネジメントの効果が出ない裏にはシンプルに「マネジメントの放棄」があるからです。
なぜなら「快感を求める気持ち」が双方にあります。
怒りはアルコール依存症に似ている
怒りは刺激のある情動なので、快感が癖になる効果があります。
依存症と同じ仕組みです。怒りは刺激があるので快感です。怒れば怒るほど怒りたくなります。
快感が強いほど、怒りも強くなり、憎しみも強くなりアンガーマネジメントは突破されます。
どうにも止まらない「怒り中毒症」に陥っている方が増えています。
アンガーマネジメントに関心が高い人が増える次第です。
禁止令が潜んでいる深層
一連の怒りは、考えてやっていることではないので、瞑想したからといってアンガーマネジメントが出来るものではありません。
マインドフルネスで心の癖を知り、心の仕組み、怒りの仕組みを知ることです。
人間には表層意識と深層心理があります。
表層心理は、主に五感と顕在意識です。
深層心理には、潜在意識と超意識があります。
深層心理は意識できませんが、顕在意識を支配しています。
深層心理には「超意識」があり、禁止令が記憶されています。
マインドフルネスには、心の癖を知ることで、深層心理に入り込む効果があります。
自我執着心
自我執着心には、「貪欲(とんよく)」、「瞋恚(しんい)」、「愚痴(ぐち)」の3つの煩悩があり、自我執着心を応援しています。
貪欲(とんよく)
「貪欲」とは、欲の心です。
お金が欲しい、物が欲しい、
あの人が好き、愛されたい、
ほめられたい、認められたい、ほしい、ほしい、。ほしい
無限に欲しがり続ける欲の心が、
思い通りにならないと、次の怒りの心が起きてきます。
それが「瞋恚」です、」
瞋恚(しんい)
欲の心が妨げられると、怒りの心が燃え上がります。
上司、同僚の発言によって、自分の都合の悪い状況におかれると、腹が立ちます。
挨拶を無視されたり、メールを無視されたりすると、腹が立ちます。
信号が赤になると、腹が立ちます。
怒りの心は絶え間なく続き。
やがて、ツイッターのpotシステムのように自動生成になります。
いつも怒っているので、反応が早くなります、
考えて怒っているのではなく、考える間もなく怒っています、
つまり自動操縦です。
気づかないうちに、怒りの炎で、人間関係も、いい話もすべて焼きつくし、気づいたときには後悔にくれています。
しかし、それこそが、幼い時から負のルーチンワークで育ててきた自分のゴールなのです。
愚痴(ぐち)
「愚痴」というのは、恨み、妬みの心です。
同じ職場の友人や後輩が、自分より先に出世したときは、
表面的には祝ってあげるのですが、内心は面白くありません。
一生懸命働いているのに、上司が自分を認めず、
もっと遊んでいる人の肩を持つと、いつまでも恨み続けます。
友人、知り合いが、自分よりいい車やいい服を持っていると、
羨ましくなって、自分もそれ以上のものが欲しくなります。
大学受験で志望校に落ちたとき、
一緒に受験した友達だけ合格したら、妬みますが、表に出せないので、抑圧します。抑圧した思いは、潜在意識に潜り込みます。
そして愚痴という形で怒りを発散します。
三毒(貪欲・瞋恚・愚痴)
このように、煩悩の根源は三毒(貪欲・瞋恚・愚痴)と言われ、貪欲とは必要以上に求めること、瞋恚とは怒りの感情、愚痴は物事の本質や真理に対する無知という意味があります。
三毒の煩悩が、私たちを日々苦しめますが、煩悩には、まだあと105もあり、私たちを苦しめ続けます。
人には感覚を生じさせることで迷いを起こさせる六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)があり、それぞれに好(気持ちがよい)・悪(不快)・平(どちらでもない)の三種を掛けた18の煩悩があると言われています。
さらに、この18に浄(綺麗)と染(汚い)の二種を掛けて36、そこに過去・現在・未来の3つの時間を掛けて、36×3=108となると言われています。
そんなに!ですね。
では、どうすればいいのでしょうか?
そこでマインドフルネスです。
情動から自分を解放して、主体的に暮らす
注意力が分断される状況で、集中力を保つにはどうすればよいか。
情報に振り回されず、じっくりと自分自身で考え、判断する余裕をどのように持てばよいか。
衝動から自分が選択する暮らし方に・・・・
情動、衝動から自分を解放して、主体的に暮らすことが望まれます。
それを支援するのが「マインドフルネス」です。
主体的な自分に「統制できる能力」には次のものがあります。
5つに分類した情動的能力
EI(エモーショナル・インテリジェンス=感情的知性)、グーグルのマインドフルネス、「サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法」で有名なダニエル・ゴールマン氏は情動的能力を次の5つに分類しています。
- 自制心 破壊的な情動を抑える
- 信頼性 正直・誠実
- 良心性 責任をとる
- 適応性 変化に柔軟に対応
- 革新性 新奇なアイデア、アプローチ
主体的な自分が統制できる能力を持つことで自分をさらに向上させることができます。
マインドフルネスによってもたらされる、これらの態度がライフスキルに磨きをかけるからです、
突発的な感情によって、自分の思わぬ方向に進んでしまっているはずです。
マインドフルネスの理解を深めると、三毒の煩悩を手放すことができます。
まとめ
世界は予想を超えたスピードで発展し、個人の生活も仕事も大きく変わりました。
働き方やキャリアに対する考え方も、多様化してきました。
一人一宇宙。人それぞれに、生育環境が違い、さまざまな価値観があり、人生のステージが異なり、また誰しもが、複雑な感情を抱えています。
論理的な知性だけでは対応しきれないストレスも増え、アンガーマネジメント効果が期待されています。
そこで必要とされるのが、仏教の智慧と感情的知性=「EI」を融合した「マインドフルネス」による効果です。
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