マインドフルネスという言葉はご存知だと思います。
ビジネス界はもちろん、様々な世界で注目されているマインドフルネスですが、マインドフルネスとは何かと質問すると、ほとんど「瞑想」と返ってきます。
それも間違いではありませんが、瞑想はマインドフルネスの一部であって、瞑想がマインドフルネスだというわけではありません。
今回は、『ありのままを受け入れる「マインドフルネス」11の法則』とともに、マインドフルネスの本来の意味と効果についてご紹介いたします。
マインドフルネスってなに?
瞑想はマインドフルネスの一部であって、瞑想がマインドフルネスだというわけではありません。
しかしそういう広がり方をしたのは、キリスト教の文化圏で受け入れやすいように宗教色を除外したことに一因があります。
では、実際にマインドフルネスを説明しょうとすると、仏教に触れずに説明することは困難になります。
そのため、多国籍の社員が働くグーグルのようなグローバルなIT企業では、社員研修をする場合には仏教を置き換えた「抽象的な概念」を打ち立てて説明しているようです。
宗教の強要と誤解されないようにするためです。
こういった注意深さが「マインドフルネス」そのものです。
現在は医学、心理学、心理療法にもマインドフルネスは活用されています。
マインドフルネスの特長
マインドフルネスの特長は、「客観的にありのままに受け止める実践的修練」として効果的である点です。
マインドフルネスの歴史は古く、そのはじまりは2600年前「原始仏教」を起源とします。
日本に仏教が入ってきたのは「大乗仏教」なので、すでにお釈迦様は入滅されていて、マインドフルネスの概念も伝わっていませんでした。
マインドフルネスは、物事を良い悪いの二分化的思考で評価せずに、ありのままに受け止めることです。
二分化的思考で評価しない
たとえば、ここに恋愛中の彼と彼女がいます。
彼女は彼の気をひきたくて、またなにがあっても自分を離さないか、試す意味で、近くに来た同僚と親しげに話し、嫉妬させるようにジェスチャーもわざと大袈裟にして、恋人である彼の気をひきます。
彼は彼女のことが解っていてもイライラしてきて、あとで大喧嘩になります。
おかげで楽しく過ごせたはずの二人は仲違いしてしまいます。
こんな場合、マインドフルネスでは、どのようにも評価をしません。
まず、「怒った彼の受けとめ方」の是非を一切評価しません。
「嫉妬させた彼女」の是非についても同様です。
目に映った場面についても同様で、「彼女が会社の同僚と話していた」と事実をありのままに受けとめます。
それ以上の受けとめ方に一切触れません。
良いように受け止めることも悪いように受け止めることもしません。
なぜなら、「理想の状態でないといけない」と考えることに繋がるがるからです。
これがマインドフルネスです。
マインドフルネスは「つながり」を注意深く実践する
マインドフルネスは、どこにつながるか「つながり」を大切にします。
つながり=縁起だからです。縁起とは原因=結果です。
ありのままに受け止めるために、特別なスキルが必要なんだろうと期待した人は肩すかしを味わうかもしれません。
マインドフルネスは、ただただありのままをありのままに受け入れます。
価値判断をすることは、すでに囚われていることに他ならないからです。
マインドフルネスでは、このような「つながり」をしません。
映画を見ている自分を見ている感じ
前述の恋人の諍いに対して価値判断をしない、一切の評価もしないと、どんな感じになるでしょう?
それは映画を見ている自分を見ているような感覚です。
映画を見ていて泣いたり笑ったり感動するのは感情移入しているからです。
つまりこれが、評価したり、価値判断をする自分です。
ところが感情移入せずに映画を見ている自分を見ているとは、客観的ではあるけれど、面白くもなんともありません。瑞々しい感情を使わないからです。
感情に繋がないので、マインドフルネスは、一切、評価しません。
「人生は思い通りにならない」が出発点
マインドフルネスは、「一切皆苦」という真理(本当のこと)を原点にしているからです。
マインドフルネスは、感情に繋がないといっても、人間は感情の動物と言われているように感情まみれになってしまいます。
つまり頭で解っていても実践できるわけではないので、修練(トレーニング)が必要になります。
その一端が「マインドフルネス瞑想」です。
マインドフルネス瞑想
一日8時間も座禅をする僧侶なら、いざ知らず、一般人が一日5分や10分の瞑想で実践できるとは思えません。
瞑想が効果がないかというと、そうではありません。
マインドフルネスでは生きる原点である「呼吸」から整えて「身体の感覚」の配線をつなぎなしていきます。
普段、意識しない「呼吸」を注意深く意識することで、深く生きることを意識します。
ありのままの自分は、深く生きるなかで感じることができるようになります。
意識づけが、日常に浸透して、身体中にマインドフルネスが浸透していくからです。
環境問題に似ている私たちの心と身体
現代社会は意識することはあまりにも多すぎて、人間本来の機能をオーバーして、絶え間のないストレスにさらされています。
環境問題と同じことが体内で起こっていて、イライラからはじまって様々な病気の原因になっています。
一般にストレスをストレスで抑える方法が広まっていますが、その悪循環は、実は自分を疎外しているのだとほとんど認識されていません。
負のループを逆転するのがマインドフルネス「ストレス低減法」です。
マインドフルネスは「いまここ」に集中することで、ありのままの自分を受け入れることでストレス低減します。
まとめ
- マインドフルネスは極めて有効な「ストレス低減法」です。
- マインドフルネスは一切の評価をしません。
- マインドフルネスは「ありのまま」を受け入れます。
- マインドフルネスは「いまここ」に集中します。
- マインドフルネスは「つながり」を注意深く実践します。
- マインドフルネスは「一切皆苦」という真理を原点にしています。
- マインドフルネス瞑想はマインドフルネスの一部です。
- マインドフルネスは「二分化的思考」をしません。
- マインドフルネスは医学、心理学、心理療法にも活用されています。
- マインドフルネスはトラウマ配線をつなぎ直します。
- マインドフルネスでは「失敗=悪いこと」ではありません。
- マインドフルネスは人を生きやすくし、「し合わせ」につなぎます。
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