「縁」「縁起」とは、なんとなく解っているけど、具体的にはよくわからないという方が多いのではないでしょうか?
そこで「縁起」に注目。縁は転がるもの。あなたは転がる石のような存在。
ここでは、転がる石の目で「縁起」を考えてみましょう。
見えぬけれどもあるんだよ 。見えぬものでもあるんだよ。
ライフスキルを育むライフスタイルの是正です。
無明からはじまる「十二縁起」
仏法では、煩悩が生じる原因は、『十二縁起』にあるとされています。
十二の因縁とは、避けがたい連鎖のことです。
十二縁起は『西遊記』でおなじみの玄奘三蔵法師が、生涯を投じて訳した経典に発見しました。
十二縁起(十二因縁)は、「諸法実相」をより理解しやすくするために説かれたもので、ヒトの心と身体に宿るシステムのことです。
諸法実相(しょほうじっそう)とは、仏法でいう真理のひとつで、全ての存在のありのままの真実の姿のことです。ただし実体があるわけではなく、状態のことです。
現実の人生で苦悩が生じる原因となる12のポイントを系列化したのが十二縁起(十二因縁)です。人生の苦悩の根源を断つためのヒントとなる仏教で説く基本的な考えです。
十二縁起あるいは十二有支とは、いずれも玄奘三蔵法師の訳です。
他にも十二因縁、十二支縁起、などと表記する場合もありますが、同じ意味です。
十二因縁の支分は、無明、行、識、名色、六処、触、受、愛、取、有、生、老死の12個がありヒトは無明からはじまる12個の支分を転々とすると説いています。
十二縁起には、外縁起と内縁起があり、どちらも因果関係の物語になっています。
外縁起・・・・外面(物質的な面)からとらえた因果関係
内縁起・・・・人間の内面(心)からとらえた因果関係
次にご紹介する十二縁起は、人間を物質的な面からとらえた考え方で、肉体はどのようにつくられてきたかを十二のステップで説いています。
最初は『無明(むみょう)』から始まります。
1.無明(むみょう)というのは、現代でも「その方面に明るくありません」と言うように、「無知(むち)」ということです。つまり無知なる魂(たましい)という意味です。
無知なる魂は、両親(夫婦)の2.『行(ぎょう)=行為』によって母親の胎内に3.『識(しき)』が宿ります。
「自分」は、こうして作られる
「識」とは知識の識で『生物の特性を備えたもの』という意味で人間のことです。
まだ人間の形になっていない不完全な識(しき)がだんだん形を整えてくると、4.『名色(みょうしき)』になります。
名(みょう)とは無形のもので、精神や心の状態をあらわし、色(しき)はその逆の形あるもの、つまり肉体を指します。
名色(みょうしき)というのは、魂(たましい)が入った人間の心身ということです。
名色(みょうしき)が発達すると六入(ろくにゅう)、つまり5.『六処(ろくしょ)』と呼ばれる、眼(げん)、耳(に)、鼻(び)、舌(ぜっ)、身(しん)、意(に)、すなわち六根(ろっこん)が調ったという意味です。つまり人間として、この世に誕生する意味です。
五感(ごかん)と心、唯識論で言ういわゆる六識が発達してくると、視覚(しかく)、聴覚(ちょうかく)、臭覚(しゅうかく)、味覚(みかく)、触覚(しょっかく)などをはっきり感じられるようになります。
このように、『身体と心=名色(みょうしき)と六処(ろくしょ)』が互いに影響(えいきょう)しあった状態で感覚器官が発達した状態を6.『触(そく)』といいます。
触(そく)の感覚器官が発達してくると、感受性が強くなってきて、好き嫌いの感情がでてきます。この状態を7.『受(じゅ)』と言います。人間の年頃で言えば、六、七歳を指します。
さらに成長すると、8.『愛(あい)』が生じます。
愛にはいろいろな意味がありますが、外縁起(がいえんぎ)での愛は主に異性に対する愛情です。
異性への愛情が芽生えてくると、相手を征服して自分のものにしたいという所有欲、独占欲がでてきます。それを9.『取(しゅ)』と言います。
また、逆に自分の嫌いなものから、離れようとしたり、嫌ったりします。
このように分ける感情が出てくることを10.『有(う)』といいます。
10.『有(う)』のレベルまでくると、生きる葛藤、苦しみがいろいろな形で表れてきます。
このように、さまざまな苦楽の意識と行為を業として魂に記憶し、このような意識で人生を過ごすことを、11.『生(しょう)』といいます。
『生(しょう)』は本人だけでなく、子々孫々の『生』にも影響を与えます。
この状態が、(社)いきいきゴエス協会のメインテーマ「人生はエンドレスにワンダフル」の裏現象です。
無明
仏法では、『無明(むみょう)』をなくさない限り、親や先祖の『無明』が、子や孫へと受けつがれ、いつまでも、束縛やとらわれから、離れることも逃れることもなく、負のループを継続してしまうのです。
そして、それは一生続いて、最後に老いて死を迎える12.『老死(ろうし)』に至るのです。
以上が、人間の肉体を中心とした外縁起による十二縁起(じゅうにえんぎ)です。
「縁」は自分では作れませんが、縁をどう転がっていくかは自分次第なのです。
十二縁起で自己執着心が生まれてしまう
ここにあげた「十二縁起」は身体面の「十二縁起」ですが、「諸法実相(=ありのままの姿)」をより深く理解する目的で説かれました。
スターウォーズのダースベイダーが悪の世界に堕ちたように、外縁起による「十二縁起(じゅうにえんぎ)」にも、負のループに入り込む因果があることがわかります。
上の図にある「阿頼耶識」「末那識(自己執着心)」が発生する縁起がありましたね、
「7.受(じゅ)〜10.有(う)」がそうです。
有(う)の段階で分けることを強めます。
無明から目覚めるモチベーションを手に入れる
無意識の人生脚本は人生をあるべき場所に持っていきます。
そして自分が親から学んだライフスタイルは子どもに受け継がれます。
これまで数多くの数千人の方に関わってきましたが、人生脚本がどのように作られるか、自分の人生脚本がどうなっているか、読み解くお手伝いをして頭で理解しても、無意識の人生脚本に任せようとされます。
理由は簡単、変えなくていいからです。変えるとは、毎日の行いを変えることになるのできっかけが掴めず、そのままにしてしまいます。
一人ではなかなか変えるのが難しいのですが、ダイナミックに変えた方も少なくはありません。
「こうしたい」というモチベーションになるインパクトのある望みがあれば、比較的簡単にやってのけます。つまりヒトは寂しさの前には弱いのです。エンドレスにワンダフル、縁は自分で作れませんが、縁の転がり方で、人生は思うようにできるのです。
さあ、ドラゴンのようにあなたの人生のある場所で駆け上りましょう。
まとめ
「親の因果が子にたたり・・」と世俗的な言い方が浸透していますが、仏法では、『無明(むみょう)』をなくさない限り、親や先祖の『無明』が、子や孫へと受けつがれ、いつまでも、束縛やとらわれから、離れることも逃れることもなく、負のループを継続するといいます。現代的にいうなら「ライフスキル」を育むことが大切で、そのためには「ライフスタイル」の是正が必要です。「私はOK,あなたもOK」でないと200年の縁起をワンダフルにするのは難しいので、ライフスタイルを整えます。
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