三十七菩提分法(三十七道品ともいいます)は、原始仏教(小乗仏教)で説かれた修行体系です。
「三十七菩堤分法」は「自灯明、法灯明」を具現化する研修トレーニングです。
お釈迦様最後の説法
お釈迦さまが入滅される前に弟子を「重閣講堂」に、たびたび弟子を集めて「三十七菩堤分法」を説かれます。七科目からなる研修プログラムとお考えください。
四念処・四正勤・四神足・五根・五力・七覚支・八正道の七科目で構成されています。
煩悩を焼き尽くす実践法
「三十七菩堤分法」は「自灯明、法灯明」を具現化するトレーニングですが、「自灯明、法灯明」を阻害するもっとも大きな要因に「煩悩」があります。
煩悩といえば、三毒をはじめ六大煩悩「貪・瞋・癡・慢・疑・悪見」が有名です。
執着の原因になる「煩悩」を消し去り、いつでも涅槃に入れるようにできてこそ、自他救済が可能になるとお考えになられたようです。
潜在意識に潜むネガティブな記憶が思考を支配する
煩悩は潜在意識の底の底にあるので、無意識です。
無意識は十二縁起によって作られています。
無意識は思考、感情、感覚に隠れて思考、感情、感覚を支配します。
支配された思考、感情、感覚が原因となって、行動(結果)になります。
そのプロセスにある「執着」に気づく、手放すことは至難の技です。
瞑想は日常の慌ただしさから離れて、善悪の区別をせずにあるがままの自分に気づくトレーニングです。お茶を飲むようなくつろいだ時間です。
十二縁起による煩悩を焼き尽くす実践トレーニングが、「三十七菩堤分法」です。
「三十七菩堤分法」に取り組むことで集中と継続を引き出すこともトレーニングです。
「三十七菩堤分法」7つの科目
「三十七菩堤分法」は、次の7つの科目は以下の項目です。
- 四念処(四念住)
- 四正断
- 四神足
- 五根
- 五力
- 七覚支
- 八正道
以上、七科総計37種類の修行方法です。
四念処(四念住)
- 身念処 身は不浄であると観じること
- 受念処 受は苦であると観じること
- 心念処 心は無常であると観じること
- 法念処 法は非我であると観じること
四正勤
- 断断 いまだ生じていない悪を生じさせないように努力する。
- 律儀断 すでに生じた悪を断滅するように努力する。
- 随護断 いまだ生じていない善を生じさせるように努力する
- 修断 すでに生じた善を増長させるように努力する。
四神足
- 欲神足 意識を集中統一しようとする強い意欲を持つ。
- 精進神足 すぐれた瞑想を得ようと努力し、意識を集中統一する。
- 心神足 想像(真理の観念)に意識を集中する。
- 慧神足 真理の観念への集中により得られた智慧に意識を集中する。
五根
- 信根 仏法僧(三宝)への絶対の信頼。
- 精進根 仏法僧の法(真理)をもとにした努力。
- 念根 仏法僧の法(真理)をもとにした意識的に繰り返す想い。
- 定根 仏法僧の法(真理)をもとにした精神集中。
- 慧根 精進⇒念⇒定により、顛倒夢想が正しい見解(智慧)となること。
五力
- 信力 信根(基礎能力)を深めて行って内外の力となった完成形。
- 精進力 精進根(基礎能力)を深めて行って内外の力となった完成形。
- 念力 念根(基礎能力)を深めて行って内外の力となった完成形。
- 定力 定根(基礎能力)を深めて行って内外の力となった完成形。
- 慧力 慧根(基礎能力)を深めて行って内外の力となった完成形。
七覚支
- 念覚支
- 択法覚支
- 精進覚支
- 喜覚支
- 軽安覚支
- 定覚支
- 捨覚支
八正道
- 正見
- 正思
- 正語
- 正業
- 正命
- 正精進
- 正念
- 正定
七科(四念処・四正勤・四神足・五根・五力・七覚支・八正道)で構成された三十七菩提分法は重なっている項目が多いのが特徴です。
特に、念・精進・定は七科のほとんどに出てきます。
つまり、それだけ重要ということです。繰り返し学ぶ・・・・これも忘れてしまう人間の本性に適したブッダの需要なメッセージです。
天上天下唯我独尊
この「七科総計37種類の修行」が天上天下唯我独尊のことだと察します。
お釈迦様が誕生したときに、七歩(=七科)歩いて唯我独尊」と仰ったという話が伝わっていますが、お釈迦様のあり方からして、作り話というのは明らかです。
唯我独尊とは、「人のいのちは一つしかない、一回限りの人生を大切に生きなさい」
関連用語
まとめ
三十七菩提分法(三十七道品ともいいます)は、原始仏教(小乗仏教)で説かれた修行体系です。
「三十七菩堤分法」の目的は「自灯明、法灯明」を具現化するための七科総計37種類からなる研修トレーニングです。
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